2021年に向けて
【ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd】レポート。

音楽と越えていこう。新しいLIVE体験。

厳しい寒さが日本中を覆った2020年12月31日に「音楽と越えていこう。」をテーマに、ASOBINOTESプロジェクトが発信する年越しオンラインフェス「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」を開催しました。 「豊洲 PIT」のフロアからのライブ配信イベント」という試みで、2020年~2021年の年をまたぐカウントダウンフェスとして開催されました。

バンダイナムコエンターテインメントが提供する「オト」で「アソブ」サウンドエンターテインメント、「ASOBINOTES」。 2020年の6月に第一回目の「ASOBINOTES ONLINE FES」が「STUDIO COAST」にて開催し、大盛況を収めました。視聴者を熱狂させた数多のパフォーマンス、そしてダンスミュージックをテーマにした音楽原作キャラクタープロジェクトである「電音部」の始動が発表されるなど、大いに注目を集めたあの日から約半年が経過した大晦日。第二回である今回も、大きな注目が集まる中で一年の締めくくりと新年を迎えるパーティがオンラインにて開催されました。

Mika Pikazo氏によるキ色鮮やかなイベントキービジュアルに描かれた「初音ミク」「東方プロジェクト」「アイドルマスター」「テイルズ オブシリーズ」「電音部」「GEMS COMPANY」、それぞれのキャラクターから発信されるメッセージ、そして新しいLIVE体験を踏襲するような「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」様子を振り返ります。

佐野電磁の熱い想い、道井悠の華麗なDJ

開演と同時に画面上には、1992年よりナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)のサウンドチームで活動、現在も様々な音楽制作などで活躍した経歴をもつ佐野電磁が総合司会として登場。隣に立つのは一番手のDJを務める声優、道井悠。「配信をご覧の皆様、こぉんばんはー!!」と軽快な挨拶からスタートしました。

前回の「ASOBINOTES ONLINE FES」ではTwitterワールドトレンド一位、同時接続者数3万2千人、総視聴者数20万人を記録し「今回もワールドトレンド入りを目指したい!」との熱い意気込みが佐野電磁の口から語られました。

そして一番手、DJ 道井悠のDJがスタート。このイベントのコンセプトでもある「日本が世界に誇るサウンドカルチャー」というコンセプトを体現したような楽曲「Tokyo 7th シスターズ」より「HEAVEN’S RAVE」からスタートした彼女のDJ。その後もクラブミュージック調である楽曲を華麗にMIXしながら徐々にテンポを落とし、メロウな楽曲に移行していく彼女、華麗な楽曲展開は聴くものを魅了しました。

そして、後半はメロウな流れから一転、流れを途切れさせることなくアップテンポの曲へと展開し終盤には有名楽曲のラッシュ。「オープニングなのでアンセム多めでいきます!」と宣言した彼女の言葉通りのDJが披露されました。

続く各界で活躍する実力派DJ

「MUSIC」フロア二番手のDJとして登場したのはアイドルマスターに数々の楽曲を提供する作曲家、渡辺量による「アイドルマスター」シリーズ楽曲オンリーセット。来る2021年には15周年を迎える大人気コンテンツである「アイドルマスター」。同シリーズへ深い関わりを持つ渡辺量が選んだ楽曲が次々に披露されました。
そして最後にはアイドルマスター15周年を記念楽曲「なんどでも笑おう」で締めくくりとなった渡辺量のDJはアイドルマスターへの深い愛を感じさせました。

そして佐野電磁の紹介により「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」を通して行われる「ドラクエビルダーズ2大作戦・出張版〜巨大パックマンを作ろう〜」企画GEMS COMPANYの面々が作成した巨大パックマン作成の途中経過が披露されました。この内容も、一つのエンターテインメントとしてユーザーに体感していただく配信内容でした。

続いて「MUSIC」フロアへは、DJ DAICHIが登場。そして、インターネットを通して出会った12人の女の子たちによる、スクウェア・エニックスプロデュースのアイドルユニット「GEMS COMPANY」。DJとアイドルによるスペシャルコラボステージでした。まずはDJ DAICHIによるプレイがスタート。「GEMS COMPANY」の最新曲「ときめきドリームライン」でスタートした彼のDJプレイ。「GEMS COMPANY」楽曲を中心に、現在注目を集める新たなる日本のサウンドカルチャーの潮流であるVTuber楽曲をふんだんに使った構成は見るものに新しい音楽のありかたを提示しました。

そしてDJの最後には「GEMS COMPANY」が登場、今年8月にリリースした「ゴールデンスパイス」を披露し視聴者を大いに沸かせた。DJと「GEMS COMPANY」の華麗なコラボレーションは新たなるエンターテイメントの形を大きく示しました。

「にじさんじ」とゲームミュージックが交差する「GAME」フロア。

「GAME」フロアでは、12月17日に発売されたばかりの Nintendo Switch専用ソフト「ファミリートレーナー」をプレイしながらの「最強フィジカルライバー決定戦2020」が繰り広げられ「にじさんじ」から、「夢追翔」「相羽ういは」「ドーラ」「レヴィ・エリファ」が登場しました。ゲームプレイやトークで「相羽ういは」に左右される「ドーラ」と「レヴィ・エリファ」、司会として全体の流れをバランスよくまとめた「夢追翔」のトークが合わさり、配信内狭しと楽しみながら、そして和気あいあいと遊ぶ様子は、年末年始に集まる友達のような空気を、オンライン上に届けました。

続いて「GAME」フロアでは、バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)にて鉄拳やリッジレーサー、アイドルマスター、塊魂などの有名ゲームタイトルの音楽を担当したAJURIKA氏による鉄拳シリーズのオンリーDJセット。懐かしいシリーズの楽曲から新しいシリーズの楽曲まで、ユーザーを熱き拳を呼び覚ますかのようなDJはSNS上で話題となりました。

2020年「音楽と越えていこう。」2021年の始まり。

2020年のラストDJとして「MUSIC」フロア登場したのは、前回のトップバッターを務めたDJ和。2020年にシリーズ25周年を迎えた『 オブ』シリーズ楽曲オンリーセットを披露しました。1995年に第一作である「テイルズ オブ ファンタジア」から本年に至るまで多くの作品シリーズを生み出してきた本シリーズ。その歴史を再度辿るかのように紡がれていくミックスはテイルズ オブ ファンタジアの主題歌「夢は終わらない 〜こぼれ落ちる時の雫〜」でスタートし、最後には同曲の別バージョンで締めくくるという愛に満ちたパフォーマンスでした。

そしてついに2021年を迎えるカウントダウン。佐野電磁のもとへGAME FLOORでMCを務めるゲッツとVIRTUAL FLOORで一番手のDJを務めていたネスが合流し、ここまでの「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」の感想を語りました。

そしてステージ上に集まった出演者達から一言ずつのコメント中ついにカウントダウン。そして各々、2021年の豊富を語りました。

2021年一発目のDJを務めたのはMILK RING RECORDSよりcolateによる「初音ミク」オンリーセットDJ。この配信を観るユーザーにcolateが2021年最初に届けた楽曲は「shake it!」でした。

そしてその後も初音ミクのダンサブルなナンバーを華麗に紡いでいく非常にエモーショナルな2021年のDJ始め。新年早々、ユーザーの心を大いに躍らせたのです。
2007年の登場から長い歴史を持ち、数多くの楽曲がリリースされてきた初音ミク。「見ている皆さんに良い曲、たくさん知ってもらえたかな」というcolateの言葉が彼のDJの全てを物語っていたでしょう。

バーチャルが創る新しい音楽体験。

新年最初の「VIRTUAL」フロアには、ミライアカリが登場。バーチャル×ファッションの音楽フェスでのDJや様々な音楽イベントへの出演などで活躍の場を拡げています。ブース内を大きく動くその姿はライブ感がとても強いものでした。

そして、「GAME」フロアへ、ミライ小町と大久保博がB2Bとして登場しました。バンダイナムコ研究所が開発したゲームAIとxR(注1)技術を活用したインタラクティブバーチャルパフォーマンスシステム「BanaDIVE™ AX」(注2)を利用した新しい体験がオンライン上に届けられました。DJの選ぶ楽曲が、ユーザーの投票によって次の変わる選曲や、配信画面に、スマートフォンをかざすと、スマートフォン上の演出映像が手の動きとシンクロし画面へ表示されます。

DJ映像演出そしてエンターテインメントの未来を感じることのできる双方向体験は、ユーザーはもちろん、会場内の関係者もスマートフォンを手にして驚きの声を上げていました。

「電音部」が表現する新たなる音楽体験がここに。

続いて「MUSIC」フロアへは、電音部への楽曲提供でも活躍する、注目のトラックメイカーの二人がたて続けてに登場しました。一人目は最先端のKawaii Dance Musicを生み出し続けているKOTONOHOUSE。そして二人目であるtempuraのパフォーマンスでは電音部の「日高零奈」役を担当する「蔀 祐佳」によるスペシャルコラボステージ。
全くタイプの違うタイプのトラックを作る二人、しかしながら最先端を走る二人のトラックメイカーどんなDJを行うのかに注目が集まりました。

先に登場したKOTONOHOUSEは自身が作曲した電音部楽曲である「In my world (Prod. KOTONOHOUSE)」を意識し「この曲ができるに至った文脈」をDJとして表現するミックスを披露。自身の楽曲へ込めた想いを音楽という形で表現してくれました。華やかなサウンドに彩られた彼のDJ、彼らしい「Kawaii」とクラブミュージックシーンの今が共存したプレイは目を離すことができません。

そしてこれに続いた蔀 祐佳とtempuraによるコラボレーション。アイドル的な文脈を感じさせる歌声とクラブミュージック的な太い低音との、相反する音が華麗に溶け合った楽曲でのDJプレイは聴くものの高揚感を刺激しました。一見、全く異なったプレイを見せた二人。しかしながら根底に共通した「今」という形がそこには確かにあったと言えるでしょう。

二人のDJの後に続いて登場したのは電音部「桜乃美々兎」役、小坂井祐莉絵によるDJタイム。半年前開催された当フェスの第一回にてプロジェクトの始動が発表された電音部。当プロジェクトの今日までの歩みを見せるようなDJプレイを小坂井祐莉絵が披露しました。

そしてこのDJの終わりには「ハラジュクエリア、私たちがリスペクトしているガチマジアイドル」との紹介を受けて「CY8ER」がステージ上へ登場、DJとのスペシャルコラボステージを披露して視聴者の心を大いに沸かせました。

そしてラストには尊敬するCY8ERの楽曲「ドキドキパリラルラ」の電音部カバーバージョン「ドキドキパリラルラ (Respect. CY8ER)」を披露しスペシャルコラボステージは幕を閉じました。

そして「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」はラストスパートへ

ここで「MUSIC」フロア登場したのが同人音楽制作チームIOSYSから「ARM」と「まろん」の二人が登場、IOSYSの名前を世に知らしめるきっかけとなった「東方Project」アレンジ楽曲のオンリーセットによるDJを披露しました。DJとして、楽曲として、確実なかっこよさの中に急遽現れる悪ふざけの数々が笑いを誘うエンターテインメント性溢れるステージは圧巻。途中二人の叫び声や曲に合わせた鍵盤ハーモニカの生演奏が披露されるなど、ステージ上は目を離す隙を与えませんでした。

そんなエンターテインメント溢れるステージから一転して登場したのは黒のジャケットに身を包んだシックな出立のAZK(DJずっ from i☆Ris)。シックな装いと合致した最先端のクラブミュージックを使用したDJプレイは見るものを魅了せずにはおきません。そしてその合間に挟み込まれるアニメソングが彼女のバックボーンでもあるi☆Risとしての活動も見せていると言えたでしょう。

そして自らのAZKオリジナル楽曲を披露した彼女、その熱のこもったパフォーマンスは見るものの心を揺さぶりました。

ラストのDJとして登場したのは声優、神尾晋一郎。「日本が世界に誇るサウンドカルチャー」という「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」のトリを飾るにふさわしいアニメソングのリミックス楽曲を中心とした構成でスタート。DJプレイに神尾晋一郎本人の魅惑的な声のMCが合わさり彼ならではの空気感が表現されていました。後半に差し掛かるにつれゲームサウンドトラックのリミックスも交えることで「ASOBINOTES」のあり方を体現したかのようなプレイを見せ「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」を締めくくりました。

そしてラスト、「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」を通して行われた「ドラクエビルダーズ2大作戦・出張版〜巨大パックマンを作ろう〜」企画にてGEMS COMPANYの面々が作成した巨大パックマンを確認。予想以上のクオリティに驚く佐野電磁の姿が非常に印象的な一幕でした。

そして「MUSIC」 フロアの司会を務めた佐野電磁による挨拶がなされ締めくくりとなりました。

新しい体験との遭遇と感動。

多くのキャラクター、DJ、アーティストがオンラインに出演し、複数のフロアから同時配信された、2次元と3次元をまたぐオンラインフェス。それらは、既存の音楽フェスの可能性不変的な楽しみをオンライン上で表現したかのような体験でした。


DJが届ける曲タイトルが、次々とSNSに上がり沢山のコメントとなって、オンライン上で繋がり、三次元と二次元がダンスミュージックというカルチャーを切り口に、多くのユーザーの体験となっていく。2020年から2021年へ変わるその瞬間を、新しい感動として「ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd」でお届けできたのではないでしょうか。

ASOBINOTES ONLINE FEST 2nd

[主催・企画]
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
[制作・運営]
株式会社バンダイナムコライブクリエイティブ
[協力]
ISARIBI株式会社
株式会社ジュニ
アイレット株式会社
大日本印刷株式会社
株式会社ボーダーライン
[協賛]

取材
文章:ワタナベイチロー(アニイベX/アズビット株式会社) / 一野大悟
写真:AYATO. / Kana Ugai

注1)XR(Extended Reality)とは、現実世界と仮想世界を融合する技術を総称した言葉
注2)「BanaDIVE™ AX」とは、あらかじめアナライズされた楽曲を使用し、DJパフォーマンス(楽曲を違和感なくつなぐ、楽曲のBPMをコントロールする、オーディエンスを盛り上るなど)が組み込まれたゲームAI。映像に現れる3Dキャラクターのモ表情やモーション、配信時の演出はもちろん、ライブ空間の演出なども連動させる。また、インターネット上での、リアルタイム投票による楽曲の選曲など、双方向性を取り入れたエンターテインメント要素もあり、会場はもちろん遠隔地にいても、DJとオーディエンスが一体となって、臨場感あふれるライブパフォーマンスを体感できる技術。